2010年1月16日土曜日

一期一会

先週金曜日。

仕事後に友人と待ち合わせをしていた新宿駅JR西口で、友人を待ちながら一人で立っていると


「チョット、スミマセン・・・ミチノコト、キキタイノデス」

習いたてのような辿々しい日本語で女の子に話しかけられました。

中国からの留学生かな?と勝手ながら想像してしまった私ですが、実際は韓国から来た二人姉妹。妹の方が積極的に私に話しかけ、お姉さんは陰で見守ってる感じ。

「新しい、南口に行くにはどうやって行けばいいデスカ?」

どうやら新宿駅の新南口に行きたいとのこと。

ただでさえ複雑な構造の新宿駅構内&周辺の、西口から南口への移動ー
いつも自分が意識もせず歩くことができるいくつかのルートが頭に浮かぶ。
それを敢えて口頭で説明(しかも外国人にわかりやすく)するのが非常に難しく、最初は「ここは地下になるので、まずは地上に出て・・・」と一番簡単そうな行き方から試みたものの、初めてココに来た外国人目線に立って最終的に「うーん、うーん」と悩んでしまった私。

そこで、今から私の友人がココに来るので、少し待ってもらえるのなら案内しますよ、と提案してみた。

頑張って私の言ってる日本語を理解しようとする妹ちゃん。でも「?」の表情。
日本語でゆっくり言っても、あまり伝わってないような感じ。韓国の子だったら英語の方が通じるのでは、ともう一度同じ事を英語で伝えてみる。

するとしばらく考えた後「あ〜! イインデスカ?(日本語) でもご迷惑をかけてしまうのでは(英語)」と返してくる。


日本には、日本で生活し日本語が流暢に話せる中国人や韓国人の人が多く、しかも今の職場もそういう方々が多い環境なのでついつい忘れてたけど、英語圏でも日本でさえもアジア人同士がコミュニケーションを取るのに英語は大事な大事な共通言語。

そこで問題になるのが、お互い母国語ではない”外国語”で会話を進行させるので、よほど双方の英会話レベルが高くない限り、意思疎通がものすごく不便ということ。この伝わらない感じがすごくもどかしいのです。かといって、挨拶とか簡単な内容を伝えるだけならどうにかなるっていうのも現実。


今回は複雑な新宿駅構内について、日・英どちらでも説明こそできなかったものの、日本語に、教科書に出てきそうな簡単な英語(発音も教科書風に)を交えながらの雑談がいつの間にか始まっておりました。

友人を待ちながら会話をすること約10分。

観光のため一週間、初めての東京に来たこと、ソウル市郊外に住んでること、二人が学生だってこと(いきなり何歳に見えますか?なんて聞いてくるんだもん)、妹は日本語を勉強し、姉は少しだけ英語ができるってこと、次の日ジブリの森へ行く予定だってこと・・等々を知りました。私もバンクーバーでできた韓国人の友だちの話なんかをして、懐かしい気分になりました。

海外で韓国人だと思われる事が少なくない私は、お決まりの「私、韓国人に見えるってよく言われるけどどう思う?」との質問を投げかけてみた。「あ、見えます見えます」って(笑)。あ、やっぱり・・・ね。


思わぬ異文化交流に、登場した友人もびっくり。久々の再会を味わう間もなく、二人は案内人へと徹します。友人が男性だったこともあり、「コイビトデスカ?」なんて聞かれ「よくそんな言葉知ってるなー」と感心しつつ、「いやいや、違いますよ。彼は結婚もしてるしね。」と昔からの友人であることを強調&しっかり否定。文化が違うから変な誤解をしなきゃいいけど(笑)。


モザイク通りを通って南口へ。モザイク通りのイルミネーションに「キレイデスネー♪」と感動する姉妹。遠くに見える高島屋を指して「あれが、新南口だよ」と言うと、二人は高島屋に反応して韓国語で何やら話してる。おそらく、「あの高島屋、ガイドブックに載ってたね」なんて話していたのでしょう。

二人は丁寧に丁寧にそして嬉しそうにお礼を言った後、手をつないで雑踏へと消えていきました。

妹曰く、東京に来てから出会う人みんなが親切に道を教えてくれるのだそうです。「日本人、みんな親切」って言ってました。正直、東京のような大都会には冷たい人が多い、と思っていた私には意外な印象でした。だからそれを聞いて嬉しかったし、東京も捨てたもんじゃないって思えました。

そういえば、あれだけ会話を交わしたのにお互い名前も知らずにサヨナラしてしまった・・・。この二人に一生会う事はないんだろうなぁ。

今ごろこの寒空の下で、姉妹仲良くまだまだ東京を観光していることでしょう。

まさに一期一会・・・そんな夜に乾杯。

8 件のコメント:

  1. 読んでて何だかホンワカした気持ちになったよ。ありがとう。
    ホントに英語を母国語としない友人との会話だと、自分の力不足をもどかしく感じることが多いよ。概略は伝わっても詳細が伝わらない…英語大事だね。しみじみ。
    僕は時々中国人の人に間違えられます。

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  2. >jojojoさん
    東京という大都会で、お互いを頼りにしながら懸命に旅をしている姉妹を見て、言葉の壁はあっても、すっと手を差し伸べて気持ちを伝えることができてよかったな〜と思いました。英語がだめでも、最終的には”笑顔”が味方してくれますよね。にしても、jojojoさん、中国人に見えるかな笑?

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  3. いいことしたねえ〜。日本人みんな親切のサンプルになってくれたmarieeeさんに感謝。てかアジア人とのコミュニケーションのもどかしさ、 わかります!!!!でもなぜかもどかしいからこそ真剣、いつもより優しく接している自分に気付いたりして。面白いね〜。流暢に話す事より、まさに今回の例のように相手の立場にたって伝える事が大事なんだろうなあ〜 (かおり)

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  4. >かおりさん
    嬉しいお言葉ありがとう。かおりさんが言うように、流暢な英語で正確に伝えることも時と場合によっては必要だけど、相手が理解できるように伝えられるか、がポイントだよね。 頼りなくもこんな対応ができたのは、自分がアジア人の一人としてバンクーバーを始め海外に行くことが多かったり、仕事で海外の人と関わってきた経験が役に立っているような気がします。お互い、北米生活で色々な意味でコミュニケーション力を身につけられるといいね♪というか、NYという場でこなしているかおりさんを本当尊敬します・・・。

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  5. こんにちは、あろあろです。
    お邪魔します~
    ブログ、拝見させていただきました!
    日本の食べ物の写真に食いついております(笑)
    いい話ですねえ、これ。
    自分の国がホメられるって嬉しいですよね。
    そうそう韓国人の女の子はよく手をつないでますね。
    ほっこり優しくて爽やかなまりえもんさんのブログ、これからも楽しみにしてます♪

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  6. >あろあろさん
    コメントどうもありがとうございました♪ 私も、いつもあろあろさんの食べ物の写真に食いついてますよ(笑)! それじゃなくてもいつもブログを楽しませて頂いております。あろあろさんの足元にも及ばない私の写真ですが、これからもよろしくお願いします☆

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  7. いい出会いだね。一期一会の出会いは大切にしたいもの。ところでオリンピックこっちに戻ってくるよね?もうチケット買ったのかな?

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  8. >akiさん
    コメントありがとう!そして・・・遅くなってごめんなさい。
    バンクーバー、2月早々戻りますよ〜♪ もちろん、オリンピックもあるので随分前にチケットもおさえてます。再会が楽しみだね。

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